TEL 072-999-1183
お問い合わせ
山陽では、お客様のご要望に応じた、ロッカーアームの製造が可能です。 オーダーメードですので、細かな仕様調整も可能です。 (例、サイズ(板厚)、材質、表面処理、熱処理(硬度) 等々)
用途:エンジン部品 汎用エンジンメーカー3社に納入実績があります。 材質:鉄 主にSPCCなど
製造のきっかけは、鍛造で製作していたものをコストダウンできないか。とお問い合わせ頂いたことが始まりです。 複数工程 「熱間鍛造、機械加工、熱処理」 のため、「コストが高くなる 」、「リードタイムが長くなる 」、「少しでも軽量化したい」という課題があり、プレス化を提案し「コストダウン」、「リードタイムの短縮」、「軽量化」を実現しました。
鍛造からプレス化することでのメリット ・コストが安くなる ・リードタイムが短縮出来る ・軽量化出来る
用途:汎用ガソリンエンジン 材質:SPCC 板厚:1.5mm 熱処理:浸炭窒化
用途:汎用ガソリンエンジン 材質:SPCC 板厚:1.6mm 熱処理:浸炭窒化
用途:汎用ガソリンエンジン 材質:SPCE 板厚:2.0mm 熱処理:浸炭窒化
用途:汎用ガソリンエンジン 材質:SPCC 板厚:1.8mm 熱処理:浸炭窒化
レシプロエンジンの中でも、OHVや、SOHC、DOHCといった動弁形式に用いられています。一般的には、シリンダーヘッド内に取り付けられています。カムシャフトのカム山の外周輪郭に沿って並進運動を生み出し、それをバルブに伝えることでバルブを開けます。バルブを閉じるにはスプリングを利用しますが、特殊な例としてはデスモドロミック式エンジンのように、バルブを閉じる役割もロッカーアームで行なう場合があります。
カムからロッカーアームへの伝達は、SOHCのようにカムから直接伝えられる場合と、OHVのようにプッシュロッドを介して伝えられる場合があります。ロッカーアームからバルブへの伝達は、直押しとすることが一般的です。
ロッカーアームは硬く靭性の大きな鋼の鍛造品で造られる場合が多いですが、コストダウン目的としてプレス化した実績がございます。更にカムやバルブとの接触面には、耐摩耗性に優れた特殊合金が接合されたり、窒化クロム等の硬質のめっき処理が施されるなど、耐摩耗性向上や摺動抵抗低減を図られることが多くあります。中には、更なる耐摩耗性向上や摺動抵抗低減を狙って、接触面にころ軸受などの軸受を採用するものもあります。
シリンダーヘッドに固定される部分が支点、カムからの入力を受ける部分が力点、バルブを押し付ける部分が作用点となり、てこの原理で作動します。これら3つの位置の設定によりてこ比を変更し、カム山高さに倍率をかけて、バルブのリフト量を大きくできるところがロッカーアームの最大の利点です。このてこ比は一般的にロッカーアームレシオと呼ばれ、支点から接点までの距離を1として、1.4レシオ、1.6レシオなどと言った形で表記されます。
欠点としては、ロッカーアームの慣性質量により、高回転域でのカムへの追従性が悪くなると言われています。実際には、てこの原理で直打式より小さな力でバルブを動かせるロッカーアーム式の方が動弁系を軽くできる場合もあり、この点では必ずしも直打式のほうが優れているとは言えません。
また直打式ではリフト量はバルブリフター径の制約を受け、リフト量に応じたリフター径が必要となります。このためハイリフトになるほど大きなリフター径が必要となり、結果的にリフター径の拡大による慣性質量の増加、摺動面拡大による抵抗増を招きます。一方で、ロッカーアームではリフターは存在しないため、リフト量とロッカーアームの設計次第で直打式よりも慣性質量を低減する事もできます。
実際にハイリフトと共に慣性質量の低減が必要となるF1車や高回転・高出力の市販車などでは、直打式ではなくスイングアーム式ロッカーアーム(フィンガーフォロワー)を用いるケースがあります。このケースではカムシャフトはバルブの軸線上に位置し、力点と作用点はほぼ同位置のレバー比がほぼ1となるなど直打式と類似したレイアウトとなります。しかし高回転エンジンでは慣性質量増を招くローラーフォロワーは好まれないためスリッパー式が選ばれる事が多く、さらなる軽量化のためロッカーアームの小型化が要求され摺動面積も制限されます。これにハイリフトおよび高レートなバルブスプリングからの高荷重が加わることで摺動面は厳しい摩擦と高い面圧に晒されるため、ロッカーアームの摺動面には高い耐摩耗性と耐ピッチング性が要求されます。
また、スリッパー式ロッカーアームでのカムの潤滑は直打式よりも不利とされます。これはスリッパー式ロッカーアームでは摺動面が純すべり接触であり接触面も限定されるのに対し、直打式ではカムとバルブ軸をオフセットすることでリフタ(シム)が回転し転がり接触成分が発生、リフタの接触面も限定されないなどの理由があります。しかし後述のローラーロッカーアームにおいては転がり接触が主体となるため直打式よりも潤滑は有利となります。このため近年はローラーロッカーアームの採用が増えています。
ラッシュアジャスターを用いない場合、タペットクリアランスの調整が必要となる場合がありますが、シム調整式以外のロッカーアームの場合アジャストスクリューによって簡単に調整できるという利点があります。直打式の場合、シムもしくはリフターの厚みで調整する必要があり、その分だけのシムもしくはリフターが必要となります。カムとの摺動面に配されるアウターシムのリフターであれば、特殊工具等によりカムシャフトを脱着せずにシム交換をすることも可能でありますが、バルブと接するリフター内部に配されるインナーシムやシムを無くしリフターそのものの厚みで調整するシムレスリフターの場合はカムシャフトの取り外しが必要となるため、調整作業における手間は格段に増えます。
ロッカーアームはその形状により「シーソー式」と「スイングアーム式」の二種類に大別できます。
支点が中間にあり、その両端に力点と作用点があるものを「シーソー式」と呼びます。基本原理は第1種てこであり、カムから入力された力は、支点に対してほぼ点対称の方向へ出力されます。この方式ではてこ比を大きく設定しやすいために、バルブリフト量の増加の効果が高いのも利点ですが、後述するスイングアーム式よりも全長が長くなることが多いので、たわみが発生しやすいです。
この方式は、OHVのほぼすべてとSOHCの多くで採用され、通常ロッカーアームといえばこちらを指すことが多いです。
OHCの場合にはシーソーのカムシャフト側にカム山との接触面(スリッパー)が設けられ、バルブ側に調整タペットが設置される場合が多いです。OHVの場合にはプッシュロッドがカム山との接触と調整タペットの両方の機能を持つ為、シーソーのプッシュロッド側にはロッドを受け止める凹面が設けられ、バルブ側にスリッパーのみが設けられる場合が多いです。
支点が一方の端にあり、力点が中間に、もう一方の端が作用点となるものを「スイングアーム式」と呼びます。基本原理は第2種てこあるいは第3種てこであり、カムから入力された力はほぼ同じ方向へ出力されます。この方式はてこ比をシーソー式ほど大きく設定しにくいために、バルブリフト量の増加の効果は低いですが、そのぶんロッカーアームのたわみ量も少なくできます。
スイングアーム式ロッカーアームは、SOHCの一部と、DOHCの一部で採用されます。構造上、直打式よりもヘッドカバーがやや高くなり、同等のバルブ挟み角を確保する場合はヘッド幅が大きくなります。