フォーミング加工

フォーミング加工とは

線材や帯板材を加工することでバネやクリップ、リング、コイルなどの部品を連続して製造できる装置です。
これが登場する以前は、線材を切断した後、複数の工程を経て一つの部品として仕上げる必要がありました。
そのため、原料の無駄が生じたほか、加工時間がかかりました。
これに対して、フォーミング加工はコイル材から必要な長さの材料を引き出し、目的とする部品に自動かつ高速で加工することができるほか、段取り替えが不要といったメリットがあります。

フォーミング加工の特徴

フォーミング加工から生み出される金属部品は、自動車部品をはじめ、電気・電子部品、建築金物、文房具など多岐にわたっています。
なお、フォーミング加工の中でも、バネを専門につくる機種は、ワイヤーフォーミングもしくは、ばね成形機と呼ばれることがあります。また、サーボモータによる制御が可能になったことで、フォーミングマシンのNC化、マルチ化が進み、これまで以上に複雑な形状の部品を高精度かつスピーディに製造できるようになっています。

用途や材質について

用途:自動車、家電、建材、産業機器、農業機械など
材質:SWB、SWC、SWPA、SWPB、SUS304WPB等
線径:0.4~6.0
板厚:0.3~3.0

フォーミング加工対応可能な線材の詳細

一般名称 記号
硬鋼線 SW-B SW-C
ピアノ線 SWP-A SWP-B
鉄線 SWM-B
亜鉛メッキ線/鋼線
バネ用ステンレス鋼線 SUS304-WPB

山陽の強み

山陽では、針金、鉄線、ステンレス線などの線材から、スナップピン、抜け止めピン、ホースバンドなどの製品をフォーミング加工で製造可能です。
規格品ではなく、複雑な形状のものを製造する際にフォーミング加工は有効になり、弊社ではできるだけコストを抑えた方法を提案させていただいています。メーカー様からは特注品の製造依頼が増えている状況です。
また、曲げ加工だけではなく、溶接や組み立てなどの複合加工も実施できますので、一貫して弊社にお任せいただけます。

製品事例

スナップピン、Rピン、βピン、抜け止めピン、止め輪、サークリップ、スナップリング、ホースバンド、ホースクリップ、針金クランプ、パッチンクリップなど

抜け止め防止Rピン
材質SUS304WPB
線径φ2.0

ホースバンド
材質SWPB
線径φ1.0

リングピン(農業機械用)
材質SWPB
線径φ2.6

スナップピン(大型・太径)
例えば、線径φ4mm・呼び20といったように、カスタマイズが可能です。

ボンネットレバー
ボンネットのロック解除に使用します。フォーミング加工で、スペースに応じた設計が可能です。

フォーミング加工を用いたVA・VE事例

スナップピン、Rピン、βピン、抜け止めピン、止め輪、サークリップ、スナップリング、ホースバンド、ホースクリップ、針金クランプ、パッチンクリップなど

事例1:プレス加工からフォーミング加工への変更(金型費を安くする提案)

ホースガイドをプレスから線材への変更を提案しました。線材をフォーミング加工することで、金型の費用を格段に安くすることができます。他にも製品の形状や特性に合わせたVA提案が可能です。

 

事例2:ホースバンドのコストダウン提案(材料費のコストダウン)

ホースバンドを軽量化するために、線材の利用を提案しました。フォーミング加工であれば、複雑な形状にも対応できるため、使いやすさにもこだわった製品を作ることが可能になります。

 

事例3:スナップピンの専用設計

スナップピンの専用設計事例です。市販の製品は安いというメリットはありますが、サイズがなかったり使いづらいなどの問題があります。スナップピンを専門設計するとコストは上がりますが、目的に合わせた形状にできるため、使い勝手や安全面などの機能を向上できます。また、スナップピン単体で十分な固定ができるようになるため、補助留め具が不要になり、結果としてコストダウンにつなげるケースもあります。