シェービング加工

シェービング加工とは

プレス加工に用いられる用語で、打ち抜きでせん断された切り口を、再度せん断金型で削り取り、平滑で精度の高い断面を得る加工方法です。シェービング加工の効果は、取り代(抜き代)の少ないほど、せん断面に亀裂発生の危険が少なく、プレス断面のダレ側から、かえり(バリ)側に向かって削り取る(プレスする)方法が一般的です。

また、シェービングに必要な加工力は、板厚よりも加工品の材質・周長・取り代(抜き代)によって決まり、通常のせん断加工よりも、はるかに小さい力で加工する事ができます。。

特長

シェービング加工は、一般的なプレス加工断面に対し、1工程加えることでせん断面を多くすることができます。

「相手品の当たり面のためせん断面が多く欲しい」といった場合に、シェービング加工を加えることで機械加工をせずに、プレス加工のみで欲しい加工断面を得ることができます。

用途や材質について

用途:自動車、二輪車、建材、産業機器、農業機械など
材質:SPHC、SCM415、S55C、SUS304、等
板厚:2.0㎜~6.0㎜

山陽の強み

山陽では、自動車・二輪車・産業機械・農業機械等々様々な業界向けにシェービング加工品を提案・納入してまいりました。
カム、スプロケット、ラチェット、ギヤといった製品にシェービング加工技術が使用されています。
産業機械・機能部品等々で相手品との勘合状態・摺動状態の向上に使用しています。

後工程でのバフ仕上げ削減、機械加工の削減、ファインブランキングよりの工法変更などでVA・VEの成功事例が多々ございます。
詳しくは、お問い合わせください。

製品事例

シェービング加工によって製造された製品をご紹介します。

VE提案事例

薄板のギヤについて、QCDを考えたときに最適な加工方法とは

事例1:ギヤをシェービング加工で実現(材質:SPHC 板厚:4.5mm)

ファインブランキング加工とプレス加工
コストダウン・リードタイム短縮により、プレス加工(シェービング加工)をご提案

事例2:ラチェットをシェービング加工で実現(材質:SPCC 板厚:4.5mm)

歯切り(切削)加工とプレス加工
コストダウン・リードタイム短縮により、プレス加工(シェービング加工)をご提案

事例3:シェービング加工でせん断面を確保(材質:S55C 板厚:3.2mm)

面を確保するために、研磨加工とプレス加工
コストダウンにより、プレス加工(シェービング加工)をご提案

事例4:プレス加工技術(シェービング加工)でギヤ形状部品を実現

ファインブランキング加工で製作しているがコストが合わず、原価低減を目指し加工工法を提案してほしいというお客様からのご要望があり、シェービング加工をご提案しました。
蓄積された金型製造のノウハウにより、必要な形状・機能・精度(せん断面100%)を満足する工法をシェービングプレス加工で実現することに成功しました。

スプロケット

シェービング仕上げ:穴・外周部
板厚:5mm

ラチェット

シェービング仕上げ:ラチェット部
板厚:4.5mm

ギヤ

シェービング仕上げ:外周部
板厚:4mm

ギヤ

シェービング仕上げ:穴・外周部
板厚:6mm